日本にカジノができると貧困層は増える?

スロットやカード、ルーレットなどでお金を賭けて遊ぶことができるカジノは世界の120か国以上もの国々で合法となっています。
それぞれの国や地域によって制限が設けられてものの、それぞれ観光資源の1つとして多くの人の注目を集めて役立てられていることも多いです。
このようなお金を賭けて大人がゲームで遊ぶことができる施設含めたIRが日本に誕生するかは、近年多くの人の注目を集めているところです。
IRが誕生するとこれまでよりも外国人旅行客が増加して税収が増えるというメリットがある一方で、貧困層が増えるのかといったデメリットとして考えられる点もあるため様々なところで議論がされています。
IRはIntegrated Resortの頭文字で、統合型リゾートと言われています。
ホテルやエンターテイメント施設、買い物ができるショッピングモール、さらに飲食店やテーマパークなどが含まれる複合施設でこれらの一角にカジノがあるのが特徴です。
MICEという言葉を聞いたことがある人も多いかも知れませんが、MICEは、MeetingとIncentive tourさらにConventionやConference、Exhibitionの頭文字をとったものです。
会議や報奨旅行、学会や展示会など様々な目的で訪れた海外旅行客に滞在してもらう施設となります。
さらに日本にそのようなカジノのあるIRが出来たら、国外からだけでなく国内からも利用する客が多くなると考えられています。
貧困層が増えるのかというデメリットとして考えられることがある一方で、このようなIRを作るメリットは外国人の観光客が増えることによる経済効果です。
さらにこういった施設ができることで関連する地域雇用が増えたり、インフラが整備されて地方が活性化されたりすることが考えられます。
これらの効果により税収が増えることに繋がるというのです。
ではなぜ貧困層が増えるというデメリットが考えられるのかというと、それは海外でIRが成功しなかった事例があるからです。
また1950年代のラスベガスや1990年代の後半のマカオなどでおきたカジノを巡る抗争による治安悪化も、イメージの悪さに繋がっていると考えられます。
アメリカといえばラスベガスが有名ですが、ニュージャージー州にもカジノのあるIRが建設されました。
しかしここでは、長続きすることなく潰れてしまったという結果になっています。
世帯所得が減少し貧困率が上昇するといったことになってしまいました。
このように経済効果が長続きしなかったり、思ったような雇用創出に繋がらなかったりした例があります。
そのようなことから、貧困層が増えるという結果も考えられるのです。
日本ではIR整備法が2018年に可決されましたが、今のところ具体的な建設地はまだ決まっていません。
また建設されたとしても、様々な制限が付くようになります。
例えばIR全体のうちカジノフロアは3パーセント以下になるようにする制限です。
また訪日外国人は無料で入場することができますが、日本人や日本に住む外国人は、入場料を払わないと入れないようになるでしょう。
また入場できる回数に制限が設けられたり、本人確認にマイナンバーカードが必要となるなどのギャンブル依存症になる人を作らないような配慮がされることになります。
実際に日本にギャンブルができるIRができた場合に、貧困層が増えるのかは分かりませんがその可能性はあると考えられています。
しかしその一方で、税収が増えて地方の財政の健全化や自治体サービスの向上などが期待できるとも考えられているのです。
また地域の産業や治安に悪影響がでないように考えていくことが必要となっています。